Newデザインも続々登場! “デザインPPF”の先駆け「エステック」
高級車を中心に拡大するペイントプロテクションフィルム(PPF)。無色透明(クリア)がスタンダードですが、カラーやデザインパターンが付されたタイプも年々存在感を強めています。
その魅力は、保護という機能性だけでなく自分好みに仕上げるというカスタム性。製品数も徐々に増えてきていますが、中でも「ファッションPPF」の名で世界80カ国に展開されている「STEK(エステック)」はデザインPPFの先駆け的ブランド。2019年に上陸した日本国内(総代理店:STEK JAPAN/エステックジャパン)でも、保護プラス遊び心の新たなクルマの楽しみ方は着実に広がってきています。
ワンポイントでもフル施工でも! 保護+ラッピングの先駆者
エステックの名を世界的にも一躍広めたのが「ファッションPPF」と銘打った「DYNO(ダイノ)」シリーズです。その名の通りファッション性あるカラー/柄付きのPPFで、新たなバリエーションも続々登場しています。
現在、デザイン・カラー付きPPFは30種以上。22年11月に米国で開催されたSEMAショーで新たに「ダイノ・クローム」シリーズ18種や「ダイノ・グリーン」がラインナップに加わり、演出できるデザインの幅も一層広がりました。
定番品として人気なのがグロス・マットそれぞれのブラックやカーボン柄で、フォージドカーボン柄のようなインパクトあるデザインも。その他グロスカラーもレッドやグレー、パープル、マイアミブルーと多彩です。新登場のクロームシリーズは金属のような独特の光沢感が魅力で、クロームの中でもソリッドやマットの単色からカーボン、ダマスカス調までパターンが豊富で、いずれも他社フィルムや塗装では醸し出せない高級感を演出してくれます。
これらのファッションPPFは、見た目もさることながら「保護機能を兼備している」のが最大の特徴です。同じくカラーチェンジできるアイテムとしてはラッピングフィルムが主流ですが、おおよそ90〜110μmで塩ビ素材のラッピングに比べ、ポリウレタンを基材に200μmの膜厚(粘着層などを含む)を誇る「ダイノPPF」は保護力の面で優位。飛び石など外的な衝撃はもとより、褪色を呼び起こす紫外線、シミの原因となる汚れからも高い保護力を発揮します。
見た目に関しても、厚みあるポリウレタンゆえ塩ビフィルムとは異なる質感は魅力的。ラッピングと比べると施工価格は高めでカラーバリエーションも限られますが、保護機能と質感の両方を追求するカーオーナーにとっては他にない選択肢となっており、ボンネットやルーフといった部分施工を中心に日本でも人気が高まっています。
もちろんファッションPPFだけでなく、PPFとして標準的な透明タイプもラインナップ。オーソドックスなクリア(無色透明)のほかマット(艶消し)やカーボン柄、プリズムなど透明タイプでも特色ある製品が展開されています。透明・カラー・デザインのいずれの製品も、ゆず肌の少ない滑らかなフィルム表面と水を弾いて防汚性も発揮する疏水機能、微細な傷を熱で復元する自己修復機能を備えており、貼った後にキレイが持続する工夫がされているのもエステック製品の特徴の1つでしょう。
実用度が高いのはライトとウインドウ用
保護とデザイン性を兼備するエステックのPPFですが、カーオーナーにとってハードルとなるのが施工価格です。
PPF自体がコーティングやカーフィルムと比べると製品自体が高く(業務用価格でも1.5×1mで数万円!)、PPFの中でもダイノPPFは、自動車外装の在り方を一変させる可能性も秘めた先端技術素材ゆえ高級アイテムとなっています。
そこにプロの施工費がかかるため、ミドルサイズの乗用車1台のフル施工では総額100〜150万円程が現状の相場費用となっています。
そのため、ボディ用ではパーツ単位での部分施工で施工費を抑えつつワンポイントデザインを楽しむ方法も人気。加えてエステックにはボディ用に留まらない強みもあります。
それがウインドウ用(WPF)とヘッドライト用(HPF)それぞれの専用プロテクションフィルムdえ、実用性の高さではPPF以上に多くのカーオーナーに恩恵をもたらしてくれるアイテムでしょう。
WPF「ウインドシールド・ダイノフレックス」は、フロントウインドウ外側に貼り付けることで飛び石などによる破損を防いでくれるアイテム。エステック製品の特徴が、ボディ用PPFと同様にポリウレタンを主素材としている点です。
WPF自体は他社メーカーからもリリースされていますが、その多くがPETを主素材とした製品。施工時に熱成形が必要でプロでも施工難易度が極めて高いとされており、施工失敗(フィルム材料をダメにしてしまう)のリスクも施工価格を押し上げてしまっています。
他方エステック製品は素材特性上、熱成形が不要で、PET素材に比べて施工難易度が下がっており(あくまでプロが施工する上での話ですが)、ショップによっては従来より価格を抑えた施工が増えてきています。
施工ショップの間では、PET素材のWPFに比べて少し透明性に劣る(ポリウレタン特有の歪みが見える)という声も挙がっていましたが、年々製品改良が進んでおりクリアさはここ数年でも改善しているとの声も。コスパの良さと視界のクリアさどちらを優先するか、気になる人は施工ショップに事前に確認してみると良いでしょう。
そして、実用度の高いアイテムの2つ目がヘッドライト用プロテクション(HPF)です。ボディ用のダイノPPFとは別に「シェード(薄いスモーク)」「スモーク(濃いスモーク)」「ファンシー(黄色)」の3種が専用品としてラインナップされています。
こちらはボディ用やWPFよりも手軽な施工価格で、ヘッドライトは飛び石などに加えて紫外線劣化による変色も顕著なため、新車時の劣化予防策としてコスパ抜群。シェードやスモークによるドレスアップ効果も人気の理由の1つで、エステック製品の中でも一際高いニーズを誇っています。
施工後の美観ケア用品も本格的
ボディ用からフロントガラス、ヘッドライトまでそれぞれに特色を持った専用製品を取り揃えるエステック。フィルムのみならずケミカルシリーズ「FORMULA(フォーミュラ)」も多彩な品揃えで、PPFメーカーが展開するケミカル製品としては突出したものとなっています。
施工してあるPPFの汚れ除去や艶出しなどメンテナンスにピッタリの「フュージョン」や、PPFのトップコートとしても使えるポリマーコーティング「フィニッシュ」など、フィルムと相性抜群のケミカルはPPFメーカーならでは。加えてカーシャンプーからタールや鉄粉、虫や鳥のフンなど汚れに応じた各種クリーナー、インテリア用の帯電防止クリーナーやレザー用のクリーナー・メンテナンス剤まで、PPF施工車でなくても使える製品が多数揃っています。
近年、日本でもPPFの普及が進み、「とりあえず保護したい」というフェーズからデザイン性を楽しんだり一層の施工後の美しさを求めたりと、深化しつつあるPPFへのニーズ。そうした深化するニーズに応えられるのが、エステックのユニークかつ幅広い製品群ではないでしょうか。
全国で拡大中の認定施工店・コンセプト
施工後のPPFケアなど一部DIYでも使える用品もある一方、基本的にエステックの各種フィルム・ケミカルはプロ用製品。施工にあたっては、専門施工ショップに依頼する必要があります。
エステックでは現在、全国に約100軒の施工ショップのネットワークを構築。施工ショップは、エステックの看板を掲げたコンセプトショップ(4軒)、エステックジャパンが定める施工技術水準を満たした認定店(16軒)、一定の取り扱い実績を有する施工店(約80軒)の3段階を設けており、同社HPに一覧が公開されています。
コンセプトショップや認定店はエステック製品の使用頻度が多く、同ブランド製品の施工やサービス案内に慣れていますが、ラッピングやコーティング、カーフィルムなどエステック製品だけでは解消しきれないディテイリングのニーズも。施工後の定期的なメンテナンスケアのことも踏まえると、まずは「認定店」や「コンセプトショップ」にこだわらず、通いやすい範囲の取扱店に相談してみてはいかがでしょうか。
なおコンセプトショップでは、エステックジャパンがサポートするPRイベントなども不定期で開催中。エステック製品が気になっている人はSNSなどを通じてコンセプトショップをフォローしておくのもアリかもしれません。
ちなみにエステックというメーカーは1977年に設立。トヨタやヒョンデといった大手自動車メーカーへのOEM供給含め、40年以上にわたる塗料保護フィルムサプライヤーとしての実績を有しています。
そして本記事で紹介したデザイン性を持つ「ダイノシリーズ」を2015年に発表し、エステック本部ではそれを「自動車のカスタマイズの可能性を再定義」と提唱。その上で、「現在の自動車製造において、塗装の工程は環境に悪影響を及ぼす多大なCO2を排出している。テスラのサイバートラックのような“無塗装車が自動車産業の未来”だと信じると同時に、保護だけでなく“スタイル(デザイン性)ある保護フィルム”の供給を通じ、その自動車産業の未来に備えたい」と、自動車の在り方そのものへの大きな変革を提唱しています。
目前では「愛車を守る・楽しむ新たなカー用品」として、大きな視点では「自動車産業を変えるかもしれない革新技術」として、進化を続けるPPFブランドからしばらくは目が離せなさそうです。