高級中古車店も参画 熱気高まるプレミアム洗車サービス…東京ユーポスの洗車場「STUDIO LAVAGGIO」

高級輸入車を専門に取り扱う東京都足立区の中古車販売店「Studio Tokyo Upohs(スタジオトウキョウユーポス/運営元:東京ユーポス、石川一志社長)」は24年9月、販売店に併設するスタイルで洗車場「STUDIO LAVAGGIO(スタジオ・ラバッジョ)」をオープン。25年1月からは磨き・コーティングのプロ施工者が常駐し、セルフ洗車場としてもプロの手洗い洗車・コーティングショップとしても運用され始めています。
街中のセルフ洗車場の減少やカーオーナーにおける洗車の価値観が変わりつつある中、中古車販売店ならではの立場で、洗車を入り口にした新たなライフスタイルの提案に挑んでいます。
洗車の楽しみ知れるセルフ洗車場
スタジオ・ラバッジョは、事前予約制の洗車場で、備え付けのツール・ケミカル用品を使用して自分で洗うセルフ洗車と、店に依頼する手洗い洗車を選べます。
セルフ洗車は、40分、60分、90分の時間制で1850円〜。カーシャンプーやバケツ、スポンジ、拭き上げクロスといった基本的な洗車用品をはじめ、素材や汚れに応じた各種クリーナーや簡易コート剤などの豊富なケミカル類、純水器や高圧洗浄機、ブロワー、フォームガンといった設備も使用可能。カーオーナーは予約して手ぶらで行くだけで、冷暖房完備の屋内個室ブースで快適に心ゆくまで洗車を楽しむことができます。
洗車の仕方をはじめ、これら充実した資材の使い方は、統括する藤川誠也クラフトマンが丁寧にレクチャーしてくれます。大手コーティングショップなどで施工してきた技術・接客経験を踏まえ、「僕自身が『この取れない汚れはどうやったら取れるんだろう』という些細な悩みからプロのキャリアをスタートした。洗車の仕方に正解はないけれど、これまで洗車された車両を見たり洗車の仕方を聞いてきた中で、『まずは高圧洗浄機で予洗いをしっかりする』だけでも、キレイに仕上がりキズ入れリスクも減らせる。逆に、洗車へのこだわり方として、水道水の拭き残しリスクを減らす観点で『雨の日は洗車にオススメ』ではあるが、一般的にその洗車の仕方は大変だし心理的ハードルが高い。負担にならずキレイになる洗車を、まずは知って楽しんでもらいたい」と、“楽しむ洗車”を提案します。
洗車を楽しめる一環として、ブルートゥースで接続できるスピーカーも備え、好きな音楽をかけながら洗車することもできる洗車ブース。「例えば出かける前に洗車して、運転中にふと映り込んだ愛車をカッコいいなと思える、自分で写真を撮りたくなる、交差点で止まって歩行者が見惚れてくれる。そんな素敵なカーライフを作れる洗車を気軽に体験してほしい」と、洗車の魅力を訴えます。
待ち時間も快適 プロの手洗い・コーティング
充実の資材・設備だけなら、近年各地で増えてきている“高級寄りセルフ洗車場”も同様ですが、スタジオ・ラバッジョのもう1つの特徴が、プロの手洗いや磨き・コーティングをそのまま依頼できること。もちろんセルフ洗車場だけの利用もOKなので、無理にプロ施工を依頼する必要もありません。
手洗い洗車は、ベーシック洗車と、細部の洗浄や内装の掃除機がけなども含んだプレミアム洗車の2コース。ボディコーティングは、洗車のついでにできるレジン系やフッ素系の簡易なタイプから、車両を預けて施工する長期耐久のガラスコーティングまで大きく4コース。それぞれサイズ別の価格設定で、例えばトヨタ・プリウス程のサイズでプレミアム洗車+フッ素系コーティングなら約3万5000〜4万5000円程(磨きは含まず)とリーズナブルです。
また、短時間で終わる手洗い洗車・コーティングのコースでは、併設する輸入中古車販売店の店内で施工作業を眺めながら待つことができるのも魅力。店内は、販売中の高級輸入車が置かれた優雅な空間で、眺める先には、近年世界中のディテイリングショップで流行しているヘキサゴン型のLED照明ライトの下で磨かれる愛車という美しい景色が広がります。
そもそも洗車も含めたディテイリングサービスは、施工技術もさることながら、接客や自身に適したサービス内容の選択など、施工の前後でもその品質を大きく左右します。藤川クラフトマンは、「例えば洗車1つとっても、キレイにしたことで汚れに隠れていたキズが見えるようになることで、トラブルではないものの残念な気持ちが生じてしまうこともある。確かな作業や要望・予算に適したサービス提案はもちろんだが、カーオーナー様の期待と施工結果を擦り合わせるようなコミュニケーションも大切」といい、過不足ない接客対応で顧客の満足度を高める取り組みをしています。
通常であればネガティブな待ち時間ですらも、楽しい時間として過ごすことができるスタジオ・ラバッジョの手洗い洗車。自身での手洗い洗車にこだわるマニアックな層はセルフで、自身ではしないけれど予算をかけて快適にという人はプロの施工で、と愛車への熱量が高い幅広い層を一手にカバーする施設となっています。
車両販売へ、ライフスタイルの提案へ
スタジオトウキョウユーポスが洗車・ディテイリングサービスを新たに展開する背景には、もちろん中古車販売という主事業への導線や、販売車両へのコーティング施工など、ビジネスとしての狙いがあります。
ただ、そのビジョンの視座は高く、いずれのサービスもカーオーナーにおける”オシャレなライフスタイルの一環”という位置付け。店舗を統括する藤井真吾店舗責任者は、「店舗空間の中で、何か新しいライフスタイルの楽しみや情報を見つけてもらえたら嬉しい。クルマを買わなくても良いし、洗車やコーティング、フレグランスの相談だけでも良い」と、店舗運営の展望を話します。
スタジオ・ラバッジョに先立ち、外部の専門施工店と連携したペイントプロテクションフィルム(PPF)・カーラッピングの施工や、正規販売店としてイタリアの高級フレグランス「DR. VRANJES(ドットール・ヴラニエス)」の販売なども手掛ける同社。その中で洗車・ディテイリングの魅力について「キレイになっていく変化が見られる。自分のクルマに対し、『光の当たり方などでこんな見え方するんだ』など、愛車の良いポイントを新たに見つける機会になるという楽しみがある」と説明。特にターゲットとして見据えるのが、クルマ自体や関連サービスと距離がある女性客で、「冷暖房完備でお茶が飲め、見た目にもオシャレな空間。そこにしっかりとした技術・接客をもって女性客を迎え入れたい」と話します。
そして、今後の事業展望の一案として、高品質かつ所有欲を満たすオリジナルカーケア用品の開発・販売や貸しガレージ事業、さらにはクルマ以外のアイテムとして家具や照明器具などの取り扱いも検討しているそう。藤井責任者は、「クルマは生活の足でもあるが、趣味性の高い弊社の販売車両を購入する人にとっては、こだわりのあるライフスタイルを反映するアイテムでもある。来店したお客様がそのライフスタイルをどう作ろうかと想いを巡らす時間を過ごしてもらいたいし、洗車・コーティングの待ち時間もそうなってほしい」と、スタジオ・ラバッジョを含めた多面的な自社事業への想いを語ります。
ガソリンスタンドの機械洗車や数を減らしつつある街中のセルフ洗車場など、かつての“安くて早い洗車”から一転、近年は高級カーケア商品がSNSなどで人気を博したり、大手カー用品メーカーが高価格帯セルフ帯洗車場や直営施工ショップを展開したりと、“こだわりの洗車”を支援する高級路線のサービスが広がり始めています。
その傍で、洗車サービス単独で完結せず、カーライフやライフスタイルを築く機会として洗車・ディテイリングを提供するスタジオトウキョウユーポスのスタジオ・ラバッジョ。時代とともに「カーオーナーにとっての愛車や洗車」が変わりゆく中、洗車サービスの在り方も変わりつつあるようです。