フォームガンにコーティング車用ワックスも! 移ろうニーズに新たな洗車を提唱…老舗シュアラスター

マンハッタンゴールドでお馴染みのカーケア用品ブランド「シュアラスター」。100以上ものラインナップを誇る老舗ブランドですが、洗車シーンの移ろいに合った新商品が続々と出ています。
25年の新商品発表会では、新たに4つの新アイテムが登場しました。

快適・楽な噴霧洗車をサポート…フォームガン2種&シャンプー
開発担当者が「消費者の洗車環境の変化に伴い、最適な洗車スタイルをご提案したいと思って開発に着手した」と語る目玉新商品の1つが、シュアラスター初となるフォームガン&専用シャンプーの「マジックフォーム・フォームガン」と「マジックフォーム・シャンプー」です。
「マジックフォーム・フォームガン」はクリーミーな泡をムラなく噴射できる噴霧器で、電源のいらない蓄圧式。使い方は、シャンプー液をボトルに入れ、ポンプを上下させてタンクに圧をかけてから噴射するだけととても簡単で、シュアラスターのテーマカラーであるブルーのボトルデザインも目を引きます。
機能面でのこだわりは、「細かい泡を均一に噴射できること」と「泡の噴射幅」。均一にボディに噴射することでダマのなりにくさ、液だれのしにくさを実感でき、また噴射に勢いがあるため細部にまで高密度な泡が密着します。
圧が抜けにくい構造で使い勝手も良く、ポンピングの回数を抑えて連続して使用しやすい設計です。容量は2Lと大きめなので、ワゴン車や大型車でもシャンプー液を何度も作り直す手間が減り、効率よく洗車ができます。ただし、満水時は噴霧が弱くなることがあるため、適量の使用や途中でのポンピングが必要です。
またボトルはデザインだけでなく素材的にも優れもの。洗車好きの間で話題の“3pH洗車”を含めた酸性・中性・アルカリ性のどのシャンプーでも使用可能で、カーオーナーのみならずプロの現場でも使える耐久性を誇っています。
蓄圧タイプは単体で噴霧できるツールですが、手元に高圧洗浄機がある人には「マジックフォーム・フォームガン」の「高圧タイプ」がオススメ。ポンピングの必要がなく、パワフルな水圧はさらに高い洗浄力を発揮。泡調整バルブで泡の量を簡単に調節でき、先端のノズルを回せば噴霧幅も細かく調整できるので、車両サイズやお好みの泡質で洗車を楽しめます。ケルヒャーやボッシュ、マキタなど各メーカーの高圧洗浄機に対応したアダプターもラインナップしています。
フォームガンの開発構想の始まりは2年以上前。「高圧洗浄機を使用した洗車の広がり」というシーンの変化を受けてスタートしました。
近年、国内の高圧洗浄機の保有率が増え、外壁やベランダなど家の掃除などで使う人が増加。テレビショッピングなどを通じた知名度の向上、販売するメーカーの増加などで高圧洗浄機が身近な物へと定着。中でも、「一番の使用目的は洗車」というアンケート結果(23年8月『高圧洗浄機おたく:高圧洗浄機の満足度調査及び使用目的・人気ブランド・レンタル利用の選考度調査』)も出てきています。
その要因として考えられる背景は様々ですが、1つに考えられるのが車両の大型化です。安全対策として全般的にサイズの大型化が進むことに加え、ミニバンや都市型SUVなど背の高いクルマも広く普及。大柄ボディの広いボディ面積は、洗車にとってはカーオーナーの負担が大きくなるという側面をもたらしています。加えて、洗車の仕方にも変化が見られ、「洗車場のような洗車を家でもやりたい」「水道代を節約したい」といったニーズも「高圧洗浄機を使用した洗車」を後押し。こうした洗車スタイルの変化を受け、フォームガンなど新商品の開発に至ったそうです。
そして、このシュアラスターのフォームガンを使うなら、ぜひ組み合わせたいのが同じく新発売の「マジックフォーム・シャンプー」。蓄圧式・高圧式両方のフォームガンはもちろん、バケツを使った洗車などオールマイティに使える便利アイテムで、粉雪のようなリッチな泡がやさしく汚れを落とします。
シュアラスターでは「カーシャンプー1000」が大人気の定番品ですが、マジックフォーム・シャンプーは試行錯誤しながら1から作り上げた新規開発品。開発には、有名洗車系YouTuberをはじめユーザーの声をダイレクトに反映。様々な洗車用品を試してきたインフルエンサーも納得するカーシャンプーを完成させました。キメ細かい泡で液ダレしにくく、ボテッとした重さがない程よい密着感。乾きにくいためシミにもなりにくく、良好な泡切れがすすぎ作業のストレスも軽減。洗浄力・使い勝手はもちろん、ほんのりとしたユーカリの香りが爽やかで、ケミカルの噴霧で気になることがある香害(香りの飛び散り)も気になりません。
コーティング時代のワックスの在り方を提唱…ゼロクリーム
シュアラスターと言えばマンハッタンゴールドワックスなどの缶のワックスをイメージする人も多いでしょう。ですが、2023年に発売したチューブタイプのワックス『ゼロクリーム』も好評で、その手軽さからワックスを使ったことのない世代の支持も得て、今では同社ヒット商品の仲間入りを果たしています。
そして今回の25年新商品の最後の1つが、ゼロクリームの「ノーコンパウンド」版です。

従来のゼロクリームには、超微粒子マイクロパウダーというクリーナー成分(研磨剤)を配合していて、これにより「ボディに艶を与えながら、小キズや水アカまで消す」という優れた機能を発揮。ただ、研磨剤のコーティング被膜への影響を考慮し、メーカーではコーティング施工車への使用を推奨していません。
一方で、同社によると、地域や乗用・商用の違いなどはあるものの「新車購入時におけるディーラーでのコーティング施工率はおおむね30〜50%程度」と見る程にコーティング施工車が増加。「研磨剤の入っていないタイプが欲しい」という声も多く寄せられていたそうで、ノーコンパウンドタイプの開発に乗り出しました。
使い方は従来版同様に簡単で、クロスに適量を取り、塗り広げてクロスの綺麗な面で仕上げるだけ。深い艶と高い撥水をボディ面に与えることができます。缶のワックスに比べると、スポンジを濡らして絞ってから使うなど塗る手間を簡略化でき、それでいて遜色ない艶を与えられ、量の調節をしやすいチューブタイプなのでちょっとしたところの艶出しにも便利。手軽さを求めつつ、しっかり美観にこだわりたいコーティング施工車オーナーには、まさに普段のカーケアにぴったりなアイテムです。
近年、日頃の“洗車時のお供”というと、スプレータイプの簡易コーティング剤が優勢。濡れたボディの拭き上げ時に使える商品も多く、利便性では引けを取る部分も。
ただ同社では、昨今のカーケアに対する意識動向について「『自分のクルマを大切にしたい』という意識の高まりを受け、あえて“ワックス”を選ぶ人が増えている」(開発担当者)と分析。ワックスが優位性を持つ部分もあると説明します。
同社によると、「クルマにあまり興味がない層は、自家用車を手放してカーシェアやレンタカーなどの“シェアする”スタイルに移行するケースが目立ってきている。これらのスタイルでは『洗車をする』必要がなく、自ら手をかけるという意識もあまりない。一方で自家用車を持つ人々は、定期的に洗車をしたりワックスで丁寧に手入れしたりと、“美観へのこだわり”や“愛着”がさらに高まっている傾向がある」と市場をリサーチ。その上で、「『自分の手で磨き上げる特別な満足感』や『クルマを美しく保つためのこだわり』、そして『仕上がったクルマを眺めた時の達成感』。これこそがワックス派ユーザーにとっての最大の魅力」と訴えます。
実際にゼロクリームの人気は、ワックスならではの“濡れたような深い艶”や“しっとりとした光沢感”に魅力を感じていたかつてのユーザーたちが、より手軽に使えるチューブタイプをきっかけに再びワックスに戻ってきたことも理由の1つとのこと。研磨成分を除くことでコーティング施工車にも使えるように調整したノーコンパウンドタイプも、そうしたこだわり層への「ワックスの艶をもっと安心して楽しんでほしい」という想いが込められています。
ちなみにカーケア用品が厚く支持されるシュアラスターですが、2020年には直営の施工ショップ「シュアラスターラボ」を横浜市にオープン。専用のケミカル・ツールを駆使して細部までキレイに仕上げる洗車から、プロ向けに開発した同社最上級のコーティング剤の施工サービス、各パーツのクリーニングまで、各種ディテイリングサービスを提供しています。
同社の代名詞的存在であるワックス施工も魅力の1つ。ブラジル産カルナバヤシ由来の天然カルナバ蝋を高濃度で配合したシュアラスター最高峰ワックスを施工してもらうことができます。
DIY用アイテムでも施工サービスでも、コーティングでもワックスでも、クルマをトータルで美しく保つためのケアを幅広く提案するシュアラスター。70年以上続く老舗の洗車用品メーカーも、カーオーナーのカーケア意識の移ろいとともに進化を続けているようです。