• HOME
  • 記事
  • PPF・ラッピング
  • 国産品質強みのWPF「クライマックス・カムイ」登場! 施工価格の押し下げにも期待…ソフト99オートサービス

国産品質強みのWPF「クライマックス・カムイ」登場! 施工価格の押し下げにも期待…ソフト99オートサービス

PPF・ラッピング

プロ向けに様々なプロテクションフィルムを販売するソフト99オートサービス(甲斐康之社長、大阪府大阪市)は、自社ブランドのウインドウプロテクションフィルム(WPF)「CLIMAX・KAMUY(クライマックス・カムイ)」を5月にリニューアル。9月には東京営業所で、プロ施工者を対象としたワークショップを開催し、30人を超える施工者が集まりました。

今回の改良では、製造元を国内有数の資材メーカー・王子ホールディングスグループに切り替え、高い透明性を保ちつつも、熱成形がしやすくなるなど施工性が大幅に改善されました。また、円安相場が続く中、海外製品に比べて価格競争力でも優位となっています。

耐久性(使用環境によって異なるものの実質1年程度)に対して施工価格の高さが普及を阻害する要因の1つとなっているWPF。施工性の向上や材料価格の低下により、WPF施工がより手が届きやすいサービスになることが期待されます。

  • 東京営業所でのワークショップの模様

国産品質・高い透明度が強みのPET型WPF

クライマックス・カムイは、約100μmのポリエステル(PET)を基材とするフロントガラスの保護用フィルム。飛び石などによるガラスのひび割れリスクを抑制することができます。
特に近年は、衝突被害防止装置のカメラが備わるなど、ガラスの修理・交換費用が高くなってきている傾向。バンパーなどボディ塗装面とは異なり、フロントガラスは一定以上の損傷の場合は車検に通ることができないため、未然に損傷を防ぎたいという需要も高まってきています。

基材層の表面には、8μmのトップコート層が加工され、雨にあたってもクリアな視界を確保する撥水性を発揮。摩耗性、耐候性を高める加工が施され、ワイパーの稼働や日光直射にも一定程度絶えうる耐久性を備えています。

カムイが今回のリニューアルで特に改善されたのが、熱成形がしやすくなったことによる施工性の向上です。

  • 適度な熱・圧で湾曲形状に加工する熱成形

PET型のWPFは、どうしても柔軟性に限りがあるPETという素材の特性上、そのまま貼り付けるとシワが発生し、キレイに仕上がりません。そのため施工では、平面のフィルムをフロントウインドウの湾曲に添わせるよう熱を加えながら加工する「熱成形」という工程を要します。
この熱成形はプロでも失敗することがある程に難しく、これを理由に施工を諦めるプロ施工者もいる程。フィルム材料費にこの技術料(失敗リスク分のバッファなども)が加わり、施工サービス価格はおおよそ8万8000円〜というのが相場(ソフト99オートサービスの場合)。熱成形のしやすさが格段に向上した新しいカムイは、 今後施工ショップに浸透することでWPF施工の相場価格を押し下がることも期待されます。

  • 熱成形後、ゴミが入らないように載せ…
  • 熱成形の失敗や浮きの発生などトラブルはプロでも

用途で選べる2種類のWPF…TPUタイプはDIYでも

ソフト99オートサービスでは、カムイとは別にポリウレタン(TPU)を基材としたWPF「CLIMAX・SAWRE(クライマックス・サウレ)」も販売しています。

  • PET型とTPU型の両方のWPFを販売

PET型「カムイ」と比べると、TPU素材は柔軟性に富むため熱成形が不要で、施工が格段に容易。カムイ同様に撥水性のトップコートも備えており、実質的な耐久年数はほぼ同等ながら、同社の施工サービスでは5万5000円〜と、カムイより手頃な価格となっています。

ただ、TPU基材・接着層の特性上、貼り付け後に微細な歪みを視認することも。貼り方の問題ではなくフィルムの特性で、光の差し込み具合や角度などにもよって視認度合いが異なるため、現時点では完全に解消することが難しい症状です。

「キレイ・高価なPET型」に「安価・手頃なTPU型」と、ニーズに合わせて選べるWPF。
TPU型は、その簡単な施工性からプロ施工だけでなくDIYでも広まり始めており、ソフト99オートサービスではマツダ・ロードスター(ND)やトヨタ・GR86/BRZ、GRヤリスなど一部車種を対象に、事前に車種ごとの窓ガラスの形状にカットした「プレカット版サウレ」も販売中。特にサーキット走行を楽しむカーオーナーなどを中心に、一定のDIYニーズも生まれてきているそうです。

  • 左がTPU型、右がPET型

市場拡大に繋がる施工価格引き下げへ

PET型WPFは、技術料もさることながら、高機能なフィルムそのものも高価。カムイは今回のリニューアルで、施工性の向上とともにプロ向け卸売価格も引き下げました。

ガラス修理・交換費用が高騰しているとはいえ、現在のWPF施工(実質的な耐久性1年・施工価格相場10万円前後)では、一般的なクルマの使用環境下で経済的利点は生まれにくい状況。ただその中でも、トラックやバス、前述のサーキット走行者など「リスク(飛び石被害の可能性や修理価格)に対してWPF施工価格が見合う」シーンでは、徐々に広まってきていることが今回のワークショップ参加者からも聞こえてきました。

ボディ用のペイントプロテクションフィルム(PPF)でも、廉価なフィルム・施工を通じて市場の裾野拡大に取り組んでいるソフト99オートサービス。価格競争力を持ったカムイが、PPF同様にWPF市場の裾野も押し広げていきそうです。

CARDE編集部

90年代前半から東京都下でショップを営むプロディテイラーと元業界紙記者のコンビ。“現場のリアルな視点”と“客観的な情報編集力”でカーユーザー第一の情報をお届...

プロフィール

関連記事一覧