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【のんちゃんRインタビュー】異業種女性が立ち上げた個人カーケアブランド「ガラコート」〜人気商品までの道のり〜

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ECサイトやSNS・動画共有サイトの普及でモノも情報も手に入りやすくなり、特に近年は中小企業や個人ブランドなど、非大手メーカーのカーケア用品の人気が高まっています。
Amazonや楽天市場、ヤフーショッピングといったECサイトで話題のカーケア用品ブランド『ガラコート』もその1つ。「オートケミカル専門店」のショップ名で展開中で、特に2023年から販売中のロープライス・高品質な純水器が大ヒット。YouTubeでのレビュー動画投稿件数は約100件に上り、みんカラなど様々なサイトで体験談が増え続けるなど、各所で話題になりました。
今回は、ガラコートを立ち上げたHikari店長にインタビュー。業界未経験で異業種から参入した経緯、2018年の創業から人気洗車用品メーカーに仲間入りするまでの道のりを教えてもらいました。

ガラコートは、「プロも愛用する確かな商品を、初心者でも使いやすく」をモットーとしたカーケアブランド。洗車後に簡単に使える簡易コーティング剤をはじめ、ホイール用やウインドウ用といった各種コーティング剤、カーシャンプーなど、多彩なカーオーナー向けカー用品をラインナップしています。
販売チャンネルの1つ「Amazon」の製品全てのレビュー数を合わせるとその数17,000件超/「Amazonおすすめ」にも選定される程多くの方に支持され、優良店として高い評価を獲得しています。またカーオーナーのみならず、ディーラーや自動車販売店にもファンも多数。人気カーケアブランドの仲間入りをしているガラコートですが、創立者のHikari店長に聞くと、これまでの道のりは決して平坦ではなく、苦悩も多かったそうです。

憧れを1つ諦め、憧れの1つを形にすべく…退職〜創業決意

クルマが好きな「車女子」を公言しているHikari店長。学生の時からクルマへの憧れは人一倍強かったそうです。早く自分のクルマが欲しいとの思いから、飲食店やスーパーマーケットなど色々なアルバイトを掛け持ちし、高校生の時に貯めたお金で日産キューブを購入。念願のマイカーが嬉しくて、友達とドライブをしたり家族を乗せたりと、憧れだったカーライフを手に入れました。

社会人になってからは、これまた夢だったブライダル関係の仕事に就職。ただ、拘束時間の長さや大変な労働に体は疲れ、大好きなクルマにかける時間も少なくなり、ついには好きな洗車すら辛くなってしまう程、疲れ切ってしまいました。そしてブライダル関係の仕事を退職。しばらくは家でゆっくりしたいと外に働きに出ることはせず、家でできるハンドメイド作家としてオリジナルの作品をECサイトで販売する日々をスタートさせました。

ガラコートへの道を踏み出したのは、そんな環境から。ハンドメイド作品の販売はクルマとは縁のない仕事でしたが、クルマが好きゆえに頭に浮かんだのが「やっぱり自動車関係の物も販売したい」という気持ち。そこからすぐに動き出し、どんなものが売れるか、どんなものを消費者は求めているか、などのマーケット調査を開始しました。
仕事がキツく洗車すら苦痛に感じていたブライダル業界勤務時代、忙しくて時間がない時に「こういう洗車用品店があったら良いのにな」と思った経験。そこから、誰でも使いやすくて、洗車が手間だと思わなくなるようなコーティング剤を売ってみたい!と、自分で手掛ける決意をしました。

個人ブランド支える製造委託…創業〜商品開発

自分でカーケア用品を販売する。そう決めたものの、関連業界に従事したこともなかったため、右も左も分からず疑問はつきなかったそうです。
ハンドメイド作品の販売はしていたため、モノを売ること自体は、宅配便の窓口の人に顔を覚えられるくらい、経験してきたけど、仕入れはどうすれば良いんだろう…。今までは100円ショップやホームセンターなどで材料を仕入れていたけれど、洗車の溶剤はどういう所で売っているのだろう…。そんな初歩的な疑問からのスタートでした。

仕入れについてインターネットで調べてみると、見つけたのがオートケミカルの製造をしている工場。製造委託という方法です。
カーケア用品は一般的に、業務用でも一般用でも自社製造している商品は少なく、設備を持つ企業に製造委託したOEM(他ブランドによる生産)商品が数多く流通しています。特にカーケア用品のような複雑で高精度・高い安全性が求められる溶剤は、自社設備での製造は容易ではなく、こと小規模・個人ブランドはOEM供給によって成り立っています。

hikari店長は、「大手メーカー以外でガラス系コーティングを販売している小売業者は数えるほどしか見当たらなかった。いろいろ調べてようやく見つけた1軒の洗車溶剤を扱う工場に問い合わせてみたのが最初のアクション」と当時を振り返ります。
ただ、いざ動き出してみてもすぐに立ちはだかったのは規模の壁。サンプルを依頼すると良質で理想的なモノに近かったため卸してほしいと相談すると、「段ボール100箱分買ってくれたら売ってあげる」との返事…。非法人(個人事業主)で実績もないHikari店長にとっては、非常に厳しい条件でした。

でも、その「簡単な施工で高品質」の商品に惚れ込んだHikari店長。突き付けられた条件を飲む決意をし、段ボール100箱分の溶剤を仕入れることにしました。未経験で右も左も分からず手探り状態でのスタート。もちろん不安はありましたが、その信念は強く、「この商品なら売れる!」という自信があったそうです。

そして実際に届いた商品は、当時住んでいた2LDKの自宅の部屋をほぼ段ボールで埋めてしまう量。気が遠くなりそうになりましたが、自分を奮い立たせ、すぐに容器の選定や商品名・デザイン・キャッチコピーの策定など、次への一歩を歩み進めました。
使ったことのないデザインソフトの使い方から勉強し、大量にある溶剤をボトルに小分けにして印刷したラベルを貼り、袋詰めする梱包と、地道な作業を繰り返す毎日。屋号の「ガラコート」は最初の商品であるガラス系コーティング剤に由来していて、この商品に勝負を掛けたhikari店長の想いとこだわりがブランド名に詰まっています。

このブランドが形になり始めた2018年当時、hikari店長によると、すでに簡易コーティング剤こそ流通していたものの、まだ個人ブランドのガラス系コーティング剤は今ほど世の中に出回っていなかったそう。その利便性の高さから「これは流行る」と自分を信じ、まずAmazonでの販売をスタートさせました。
「月に1万円を売り上げることの大変さを感じた」と、振り返って吐露する素直な想い。
ただ、次第に購入者からの口コミなどが広がり、徐々にコンスタントに売れるように。そして、ボトル詰め作業などが1人では間に合わなくなるくらいまで忙しくなると、親やその友人までもが協力してくれるようになりました。「Hikariちゃんの為だったら」という子供の頃からお世話になっていた人たちをはじめ、理解を示し賛同してくれた人たちが手伝ってくれるなど、周りの強力なサポートを得たHikari店長。2019年には、Amazonに加えて楽天市場やヤフーショッピングなど販売チャンネルを拡大し、商品も、硬化型のガラスコーティングや樹脂パーツ用コーティング剤、タイヤワックスなどラインナップを増やしていきました。

  • ラインナップも徐々に拡大

宣伝広告が人気を加速…躍動期

創業からわずか1年、販売チャンネル・商品点数が増えた頃。家に在庫を置くことにも限界が来て、いよいよ倉庫を借りることに。材料が届く自宅と保管する倉庫、梱包をする作業場を愛車キューブでひたすら行き来するような生活で、キューブはすでに資材運搬用の貨物車となっていたそうです。

また商品ラインナップが一通り揃った22年頃からは、自ら商品の良さをアピールすることにも取り組み始め、苦手だったというSNSやYouTubeでの発信をスタートしました。顧客に安心感や信頼を得てもらい、顧客とブランドとの距離を縮めるのが目的で、今でも商品認知度の向上を図る必須マーケティングツールとして使い続けています。

さらに忙しくなってもhikari店長の勢いは止まらず、洗車好きが好むような目新しいアイテムはないかとリサーチ。その結果、「次は純水器だ!」と考え、今ではガラコートの顔ともなっている商品が誕生しました。
開発当時、特に個人向けなどの小規模な純水器を販売している企業があまり見当たらなかったそうで、パーツを取り寄せて商品開発から着手。パッキンひとつでも何種類も取り寄せ、付けて使って付け替えてまた使って、という納得行くまでのトライアンドエラーを幾度となく繰り返しました。理想的な純水器が完成した時には、製作し始めてから約1年もの月日が経っており、コーティング剤同様、「どんなに時間がかかっても妥協せず顧客の期待に応えたい」というHikari店長のこだわりが純水器にも詰まっています。

当時販売されている純水器には産業用・業務用などが多く、高額な物が多かった一方で、リサーチの結果「洗車で使いたくても諦めていたカーオーナー」がいることが分かったというhikari店長。手の届きやすいロープライスで展開した「ガラコート純粋器」は、瞬く間に大ヒットとなりました。
純水器を身近な洗車用品に昇華し、多くのカーオーナーの元に「水シミなしの洗車」を届けたこの商品。その人気ぶりは想定以上で、生産が追いつかない程。売り切れ状態が続出し、再販しても5分で在庫がなくなってしまう状態だったといいます。

  • カウアン・オカモト氏を起用したPR

簡易コート剤、純水器というヒット商品に終わらず、Hikari店長はすでに新たな商品開発にも突き進んでいます。変化の早い洗車業界でも常に上を目指し、日々地道なマーケティング調査を継続。最近では広告に芸能人を起用したり著名人に使用してもらったりと、さらに多くの人に商品を手に取ってもらうべくプロモーションも一段と進化。ユーザーの声も大切にし、インターネット上に寄せられた何万ものレビューやコメント全てにしっかり目を通すなど、常日頃から顧客目線での商品展開を考えているそうです。

「クルマ好き・洗車好きとこれからも仲良くしたい。そして1人のクルマ好きの人間として、お客様を”ひとりのクルマ好きの仲間”と考え、これからも仲間たちが楽しい洗車ライフを過ごせるように願い続けている」と自社事業への想いを語るHikari店長。その根本にある「クルマが好き」という気持ちから始まったカーケア用品の道、今は憧れていたシボレー・コルベットとともに、自身でも楽しみながら突き進んでいます。 

のんちゃんR

カーラッピングで唯一無二のスタイルに仕上げたGT-R(R35)とのカーライフを満喫するクルマ好き女性。マツダ・オートザムAZ-1やBMW・523iなどの愛車...

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