大衆車でも有益なPPF! 施工者育成に本腰…STEKプロ向けセミナー
ペイントプロテクションフィルム(PPF)ブランド「STEK」の輸入総代理店「STEK-JAPAN(エステックジャパン、石原正規代表、東京都世田谷区)」は5月17日、事業者を対象としたワークショップを自社で開催しました。同社は今般、施工設備を整えた用賀の現オフィスに移転リニューアル。新オフィスでは今後もワークショップや技術講習を継続して実施する予定で、海外に比べて国内でのPPF普及が限定的な規模に留まる中、施工者の育成を推し進めます。
飛び石保護以外でも重宝されるPPF
カーボン柄などデザイン性が特徴のエステックは2019年、世界で64番目の国・地域として日本に上陸。PPFが普及し始めて 20年以上が経つアメリカや新車への施工率が10%に上るカナダなど諸外国と比べると、同ブランドを含めたPPFの国内での普及は小規模に留まっています。その一因として同社が挙げるのが施工者の不足。「特定の経験豊富な施工者に依頼が集中し、バックオーダーが発生している」と現状を説明します。
ワークショップでは、飛び石からの保護を図るプロテクションフィルムの基本的な機能をはじめ、デザイン・カラーPPFやヘッドライト用、熱成形不要で施工しやすいウインドウプロテクション(WPF)など、同社が誇る豊富な製品バリエーションを紹介。施工技術に関しても座学と実技を通じて披露され、コーティングショップやガラスショップなどPPF未導入事業者が耳を傾けました。
また、施工者(供給面)だけでなく需要の面でも今後一層広がる余地があることを説明。PPFの現在のメインマーケットは高級車で、部品代が安価な国産車では塗装を含めてもバンパー交換した方がコストパフォーマンスで有利なケースも見受けられます。その中でも、洗車傷や色褪せなど「交換するほどではない美観の汚損」を防げるという点ではPPFは効果的で、PPF自体が劣化・褪色しても剥がすことで綺麗な塗装面に戻せるため、修理コストが安価な大衆車クラスでもPPFが有益であることを示しました。
他方、徐々にPPF施工が普及する高級車でも、飛び石保護以外のシーンでPPFが有効に作用するケースを解説。パーツ代や鈑金塗装が高額な高級車において、事故の擦り傷ダメージが軽減され修理費が安く済んだり、スポーツ走行時のタイヤカス付着の汚れ・ダメージが防がれるなど、PPFが浸透する中で飛び石保護以外でも有益に働くシーンが認知されてきているそうです。
同社では現在、エステックの名称をショップ名に冠する旗艦店と、一定の施工技術を有する認定店、一般の取扱店の3段階で施工店ネットワークを構築しています。
素材の性質上、施工後の剥離などがクレーム要因に繋がるなど、施工者の技量のバラつきが散見されるPPF施工。エステックジャパンではワークショップとあわせて技術講習も展開し、そうしたトラブルを抑制できる技術を持った認定施工ショップを拡大させていく方針です。