カラーPPFやWPFなど新商品続々…進化し続けるPPFリーディングブランドXPEL

PPF・ラッピング

XPEL JAPAN(エクスペルジャパン、塩谷茂樹GM、神奈川県相模原市)は10月25日、国内の認定施工店を集めた「エクスペル・ディーラーカンファレンス(XDC)」を都内で開催し、最新の製品ラインナップを中心に、PPFビジネスのトレンドや展望を発信しました。本国では毎年開催されていますが、日本では23年に大阪で開催して以来2年半ぶり。エクスペルはグローバル戦略の一環で各国市場で本社直営化を進めており、日本でも24年10月に本社100%子会社に移行。新体制として初めての日本でのXDCに、約80軒のプロ施工店が集まりました。

本国のXDCでは施工技能を競うコンテストなども行われますが、今回のXDC日本版では新商品のアナウンスがメイン。とりわけ昨今は、全世界的なPPF市場の拡大に伴い、アジア諸国を筆頭に製品サプライヤーも急増、フィルムの製品環境は競争が熾烈になってきています。その中でXDCでは、10月に正式ローンチとなったカラーPPFやウインドウプロテクションフィルム(WPF)に注目が集まりました。

  • 2025年の日本でのXDC会場風景

16色のカラーPPF 新サイトで需要喚起も

ここ数年、米SEMAショー(世界最大級の自動車用品の展示会)などでも出品数が急増しているカラーPPF。同じ自動車用カラーフィルムでも、塩化ビニル素材のラッピングフィルムに比べ、ポリウレタン基材のカラーPPFは高い保護力・耐候性・艶感が特徴で、開発競争が盛んな新素材です。
これまでグロスブラックのみの限定的な展開だったXPELでも今回、グロス・マット合わせて16色のカラーペイントプロテクションフィルムをリリース。XPEL認定施工店から待望の声が挙がっていた製品だけに、XDC会場でも高い関心が寄せられました。

特にXPELカラーPPFへ期待されるのが高い品質です。カラーPPFでは先行するメーカー・製品もある一方で、実際に施工して時間が経たないと現れない品質劣化が施工者側の1つの懸念事項となっています。先行メーカーが続々とカラーPPFを市場に投入する中、PPF市場で高品質ブランドとして認知されているXPELのカラーPPFは、じっくり開発期間をとった満を持しての登場。見た目の鮮やかな発色もさることながら、長期耐久性という点でも高い品質への期待が高まります。

また、XPEL JAPANでは今般、日本語サイトもリニューアル。カラーPPFの説明ページも新設され、サイト視聴者が手持ちの愛車の画像を取り込み、好きなカラーPPFをフル施工したイメージを視覚的に体験できるコンテンツ「PPFビジュアライザー」も盛り込まれています。

  • 16色のカラーPPF

ウレタン型に続きPET型も登場! 施工性と透明度を両立

カラーPPFと同じく、注目を集めた新商品がPET型のウインドウプロテクションフィルム(WPF)です。

フロントガラスを飛び石などから守るWPFは現在、メーカー問わず基材がウレタンとPETの大きく2タイプが流通しており、XPELでも24年にウレタン型をリリースしています。ウレタン型とPET型では、主に施工性と仕上がりが異なり、熱成形不要(施工しやすい≒施工価格が安め)だけど貼り付け後に歪みが視認される恐れがあるウレタン型、透明度に優れるけど熱成形が必要(施工が難しい≒施工価格が高め)なPET型と大別されます。

今回、XPELがリリースしたWPFは、PETを基材としながら熱成形のしやすさを追求して開発。高い透明度・クリアな視界の確保と、優れた施工性を両立しました。
実際に施工の現場では、車種・窓の形状(湾曲具合など)によっては熱成形の難易度が非常に高く、PET型の施工が難しいという声も。一方で、カーオーナー側の「ウレタン型の施工後に見える歪みが気になる」という声も一定数挙がっている中、両方の課題を解消する新たなソリューションにプロ施工者が高い期待を示しており、XDC会場で行われた施工デモには鋭い視線が向けられました。

  • 熱成形しやすい独自のPET型WPF

フィルムだけでなく保証で高品質を担保

まだ目新しいカラーPPFやWPFに比べ、プロテクションフィルムの中でもとりわけ製品競争が激化しているのが定番の透明タイプ(クリアPPF)。趣向性の高いカラーPPFや1台あたりの面積が小さいWPFに比べると、市場規模の点でも中心的なアイテムです。一見すると透明なフィルムでメーカー・商品による違いが分かりにくいため、特に近年は価格の安さを強みとするアジア諸国のメーカー・ブランドの存在感が高まっています。

そうした環境下、リーディングブランドXPELのクリアPPFも進化を続けています。
今年新発売した薄型の「EXO ARMOR(エグゾアーマー)」は、リリース早々に施工者からも好評の声が寄せられている注目のアイテム。従来のメイン製品「ULTIMATE PLUS(アルティメットプラス)」の約200μmに対し、エグゾアーマーは約180μmと約10%薄型化。その分フィルム材料費が抑えられ、また施工性も高まるため、施工店においては施工価格を押し下げることができます。
特に都市部・地方部関わらず全般的に道路環境が良好で、海外に比べると飛び石リスクが低い日本。フィルムの厚みが有効に作用するキズへの備えよりも、汚れ・シミの付着や紫外線対策といった機能への需要が高い市場環境を踏まえると、薄型PPFは日本の市場にマッチした製品ともいえます。

また、同じく美観へのニーズが強い日本市場で嬉しいのがアフターケア商品の一新。PPF表面や塗装面に使えるセラミックコーティング「FUSION PLUS」シリーズをはじめ、シャンプーやクリーナー、撥水・保護剤など施工後のメンテナンスに便利なケミカル群がより使い勝手良くリニューアルしたこともXDCで発表されました。

  • 製品競争が激しさを増すクリアPPF

こうした製品ラインナップに加え、今回のXDCでは24年に正式運用が開始されたXPEL独自のフィルム保証制度の拡充もアナウンスされました。
保証制度は、XPEL側でフィルムの品質不良を認めた際、剥がし費用を含めた貼り替え費用を補償する内容で、すでに施工店49社・1200件以上の保証登録実績がある上で、今後はより高い割合での保証登録を促していく方針です。

そもそもPPFは、一般的に他の工業製品と同様、原材料や設備、作業ミスなど製造工程での不具合により品質不良が一定確率で発生するリスクがあり、初期状態でわずかなラインが入っていたり、経年で想定以上の劣化が生じたりといった症状が起こり得ます。
こうしたPPFの施工サービスでやっかいなのが、フィルム自体と施工のどちらに瑕疵があるかが不明瞭なケースが珍しくないこと。メーカーやケースによってはフィルムの瑕疵が認められず、施工ショップの負担で再施工を余儀なくされるケースもあります。

カーオーナー目線では、施工店さえクレーム対応してくれれば不利益はないように見えますが、施工店側はそうしたリスクを含めた施工価格を設定するため、施工価格を押し上げる要因になりえます。
そのため、XPELの保証制度が適切に運用されれば、施工ショップは無用なリスク・価格マージンを抱えずに施工サービスを提供できるため、結果的にカーオーナー側も適切な費用で施工を受けられることが期待されます。

  • 品質を担保する独自の保証制度

XDCの終盤には、XPEL JAPANのマーケティング担当者が登壇し、先行する米国に比べると日本はまだ成長期にあり、今後まだまだ市場が広がるという展望を提示。XPEL JAPANでは今後、国内においてオンライン(ウェブ関連)・オフライン(イベント出展など)の両面でプロモーションを強化していく方針を示しました。
PPF本格普及前の2011年に、今では当たり前な自己修復機能を世界で初めて導入し、以降長年にわたり世界のPPF市場を牽引してきたXPEL。昨今、全世界的に製品サプライヤーが増え、「PPFのリーディングブランド」を掲げる新興ブランド・メーカーも見受けられる中、実績・プロダクトともにリーディングブランドとしての進化を続けています。

CARDE編集部

90年代前半から東京都下でショップを営むプロディテイラーと元業界紙記者のコンビ。“現場のリアルな視点”と“客観的な情報編集力”でカーユーザー第一の情報をお届...

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