拡張移転で施工力強化! ラッピング業界のパイオニア「ジーマイスター」神奈川県高座郡
技術・製品へのこだわり、クルマ・モノへの愛、カーオーナーへの想い…。お店選びの参考に、はたまたディテイリングの奥深い世界に触れるだけでも、全国津々浦々、多彩なショップを覗いてみてはいかがでしょうか。
職人、設備、スペースが整ったラッピングファクトリー
今回はコーティングやカーフィルムではなく、カーラッピング専門店にフォーカス。9月に移転リニューアルしたばかりの「G-MEISTER(ジーマイスター、山口孝二代表、神奈川県高座郡)」にお邪魔してきました。
コーティングなどに比べると、カーラッピング自体はまだまだ普及は限定的で「一部のクルマ好きのモノ」と思われている側面も。ただ、全世界的にはここ十数年成長市場となっており、日本でも派手なレーシングカーやカスタムカーはもとより、高級車を中心に「愛車に個性を出したい」という一般ユーザーの施工も年々拡大しています。
日本カーラッピング協会によると2005年頃からカーラッピングの世界的なブームになったといい、日本への上陸はその少し後。今回訪問したジーマイスターは、そんな国内ラッピング市場の夜明け前とも呼べる2002年に創業。創業者の山口代表は、国内市場を切り開いてきた第一人者の1人でもあります。
同社では現在、様々なプロ用フィルムを駆使した高品質なラッピング施工を展開しています。単純なカラーチェンジにとどまらず、デザイン性に富むレース車両へのラッピングや法人車両(トラックやバスなど)へのフリートマーキングも手掛けており、デザイン自体も自社で一貫制作。専用の出力機材も備え、オリジナルステッカーや自社製造フィルムの販売も請け負っており、これまでレース車両をはじめ多くのカーラッピングを施工してきたと同時に、同業プロからも頼りにされてきた業界の有名店です。
今回の移転は、広がるカーラッピングのニーズに対し、サービス供給を強化するのが狙いです。
自動車のボディにフィルムを貼るラッピングの中でも、トラックやバスといった平面主体のフリートマーキングとは異なり、3D曲面の多い一般車両(レース車両含む)へのカーラッピングは、1台の施工にかかる作業時間が長く、また職人の技術に依る部分も多いため、「クオリティ」と「台数」の両立が非常に困難なサービス。新店舗は、旧店舗に比べて作業スペースとして4倍近く広くなっており、今後は熟練の職人とともにより多くのクルマへのカーラッピング施工を提供していきます。
結果的に“お得”な「技術」と「ノウハウ」
国内カーラッピング業界の先駆者で、同業プロからも支持されるジーマイスター。愛車を預けるユーザーにとっても、ジーマイスターでラッピングをすることの魅力が大きく2つあります。
1つ目は、何より「施工品質の高さ」です。カーオーナーが愛車へのラッピング施工を検討する際、最も気になるポイントの1つが「いかに綺麗に貼れるか」ではないでしょうか。一方で、普段ラッピングに接する機会が少ない一般ユーザーでは、その施工の上手い下手の判別も難しいところ。そこで1つの指標になるのが、そのお店がどれだけの車両に施工したかという施工実績です。
同社は事業年数が長いだけでなく、現在では月々50台規模と業界トップレベルの施工を実施。1台1台、パネル内側やボディ端など細部に至るまで丁寧に施工し、ボディ色が極力隠れる綺麗な仕上がりを実現。取り扱いフィルムもエイブリィ・デニソンを中心に世界中の様々なフィルムを揃え、同じ色でもブランド・製品によって見え方や質感が微妙に異なることもある中、ユーザーの希望に極力沿ったサービスを提供しています。
「法人車両のフリートマーキングでは流れ作業としてシステム化して大規模に施工する企業もあるが、細部に至るまでの品質が求められるカーラッピングで弊社ほどの規模で施工しているショップは国内有数だと自負している」と自信を示す山口代表。「カーラッピングは施工経験が品質に繋がるので、1つのお店選びの判断基準として施工実績が豊富かどうかを指標にしてみると良いのでは」とも話してくれました。
ちなみに同社には、客観的な施工品質の指標として、ラッピング施工技術の国内競技会で3連覇を果たした川上氏というスタッフの存在もあります。施工品質の高いラッピング専門店は全国各地にありますが、この実績に関しては他のショップにはない唯一無二の強みなので、同社に直接愛車を持ち込めるユーザーはラッキーと言えるでしょう。
そして、施工品質に加えてもう1つのジーマイスターの魅力が、長年の施工実績で蓄積された「豊富なフィルムのノウハウ」です。
塗装に比べて気軽かつコストを抑えてカラーチェンジやデザイン装飾できるラッピング。年々進化し続けているものの、フィルムの素材特性上、経年や外的要因による劣化が避けられなかったり、質感が独特だったりと、塗装と比べた際の弱点とも呼べる素材的限界もあります。そして、「専門店ならどこでもフィルムに詳しいのでは?」と思うかもしれませんが、実際には経験に乏しい事業者も少なくなく、施工後のトラブル(フィルムの想定外の早期劣化やフィルム劣化に伴う塗装面の損傷など)が起こり得ている実態も…。
そんな中、長年の施工経験でフィルム特性を熟知する同社では、高品質な施工と丁寧な事前案内を通じて提供することでそうしたトラブルを極力抑制。「トラブルが起きたとしても、原因がフィルムにあるのか施工方法にあるのかの追求さえも難しいのが実際のところ。弊社では施工の工夫によりフィルムのネガティブ要素を抑えるとともに、ユーザーの保管・走行環境を踏まえて現実的なフィルムの耐久性や劣化などのリスクもしっかり説明しており、創業以来施工後の大きなトラブルはほぼ起きていません」といいます。
ちなみにジーマイスターの施工価格は、廉価低品質なフィルムを使用して格安を売りにするショップもある中でいうと、業界的に最安値な相場ではありません。ただ、施工後の想定外なトラブルはお金も時間も失う要因。実際、同社には高級車ディーラーや中古車販売店からの販売車両へのラッピング施工依頼も多いそうで、「車両販売後の顧客とのトラブルは極力避けたいけど利益も確保したい」という車両販売店からの依頼の多さは、安心感と一定の価格競争力があることの証左ともいえるでしょう。
安さや綺麗さ、安心感などラッピング施工に何を最優先に求めるかはユーザー次第。ですが、素材自体が進化途上で施工に技術も要するカーラッピングというサービスでは、「安心して愛車を預けられる、無用なトラブルを気にせずラッピング施工を楽しめる」という”見えないサービス品質”は大きなウエイトを占めているようです。
施工者の育成に尽力
施工、顧客対応ともに優れたサービス品質を提供するジーマイスターですが、同社だけでは施工できる台数に限りがあるのも事実。山口代表は、「ラッピングの普及、市場拡大のためには施工者がもっと増えなければ」として、自社の枠におさまらず施工者の育成に取り組んでいます。
その1つがプロ向けの講習で、世界的にも有名なアメリカのフィルムメーカー「エイブリィ・デニソン」の認定トレーナーとして、定期的に同社を会場に技術講習を実施。ラッピング関連企業で構成される日本カーラッピング協会(JCWA)でも副会長兼ラッピング部門長を務め、継続的にラッピング講習を実施しています。こうしたプロ向け講習のほか、自動車大学校に出向いてのラッピングに関する課外授業や、前述のJCWA主催の競技会の運営にも参画。山口代表は、「必ずしも自社でラッピング施工する必要はないと思っており、全国各地の職人が持つスキルをシェアしてネットワークを築ければ業界が持つ施工供給力を向上できる、つまりもっと気軽にラッピングを楽しめる環境になる」として、広くカーラッピングの啓蒙に尽力しています。
実は全日本プロドリフト選手権(D1)のドライバーとしても活躍する山口代表。元々は24歳の時に家業の印刷会社でデザイナー職に勤しむ傍、ドリフト仲間から依頼されたステッカー製作の副業から同氏のラッピング事業がスタートしました。ラッピングを貼れる人もいなければ、施工方法も確立されておらず、エアフリー型のカーラッピングフィルムもなかった当時、自動車用ではないカッティングシートを駆使して試行錯誤の末にカーラッピングを形にした“1つの挑戦”がそこにありました。
今でも“完全無欠のフィルム”がない中、そうした試行錯誤とトライの積み重ねで築き上げられた現在のカーラッピングのクオリティ。この培われたノウハウは全国の同業プロへ、そしてカーラッピングの魅力は全国のカーユーザーへと着実に広がりつつあります。
ショップ名 | ジーマイスター(法人名:ヤマックス) |
住所 アクセス | 〒253−0101 神奈川県高座郡寒川町倉見1755−1 圏央道寒川北ICすぐ/JR倉見駅徒歩17分 |
電話番号 | 0467−73−7377 |
営業時間 | 10:00〜19:00 |
定休日 | 日曜日・祝日 |
ウェブサイト | https://www.g-meister.net |