進化した質感を間近で! STEKなどカラーフィルム施工車がマザー牧場に集結
アクセス・エボリューション(世田谷区用賀、平松琢代表)は9月3日、千葉県のマザー牧場駐車場で「モーターフィルムフェス」と題したペイントプロテクションフィルム(PPF)・ラッピングのイベントを開催しました。PPF「STEK(エステック)」とラッピング「ORAFOL(オラフォル)」の2メーカーが共催し、会場には高級車を中心にPPF・ラッピングを施工した車両約30台が展示。国内で普及が進みつつも高級車市場が中心で、日頃なかなか触れる機会が少ないPPF・ラッピング、施工車両や体験プログラムなどを通じてその魅力が広く発信されました。
PPFもラッピングも高まるリアリティ
会場には、共催のエステックやオラフォルをはじめとしたフィルムサプライヤー、主催のアクセス・エボリューションやエステックジャパンラボを構える静岡のP.G.Dといった施工ショップがそれぞれブースを展示しました。
フィルム素材別に見ると、エステックはカラー・デザイン付きのPPF(TPU素材)、オラフォルなどは塩化ビニル素材ながら仕上がり質感に優れるラッピングフィルム。PPFは保護性能に優れているが色・デザインパターンは少なめで高価、ラッピングはデザイン豊富でコストもPPFよりは抑えられるものの保護性能や耐候性はPPFに一歩譲る、とそれぞれに一長一短ある素材特製の傾向となっています。
また単純な見た目の点でも、フィルムが厚いPPFの方が表面質感に秀でているケースが多く、エステックのカラー・デザインPPFはグロスでもマットでも、いわゆる”フィルムを貼った感”を感じさせない仕上がり。一方、フィルムっぽさが漂いがちなラッピングフィルムながら、オラフォルのオラカルシリーズは「表面の質感が優れている」として積極的に使用するプロも多い製品。単純なカラーチェンジのみならずプリントメディアへのデザイン印刷などラッピングならでは楽しみ方も披露していました。
そして今回、展示台数が多く各車両の個性も一際目立っていたのが、アメリカのラッピングフィルムブランド「INOZETEK(イノゼテック)」。日本では技術認定店のみしか取り扱えないため全国的に施工店舗は限られているものの、塗装さながらの光沢、質感が魅力のフィルム。光沢あるイエローにカーボンボンネットやブラックアウトしたヘッドライトのコントラストが印象的なBMW・M4をはじめ、落ち着いたサンド系カラーがマッスルさを引き立てるダッジ・チャレンジャー、綺麗なメタリックグリーンが近未来感すら感じさせるトヨタ・プリウスなど、素人目では全塗装と見分けがつかないレベルにまで進化したラッピングフィルムの質感を個性豊かな車両デザインを通じて発信していました。
超高級車以外でも広がる楽しみ方
PPFにしてもラッピングにしても、現時点ではその主な施工車は1000万円を超えるような高級車が中心です。というのも一台全てを施工する場合、車両サイズによっても異なるものの100万円を超えるケースも珍しくないなど、高額な施工費がその一因。そうした中、エステック施工店のエステック静岡やエステック京都では、より身近な車両をベースとしたPPFの楽しみ方を提案していました。
アバルトなどラテン系の中古車販売をメインとするエステック静岡(アウトスペック)は、マットブラック化したアバルト・595Cを展示。カーボンのカスタムパーツと相まって迫力抜群なマットブラックですが、実はSTEKの看板を掲げる同社ながらPPFではなくラッピングのオラカルを採用。耐候性を求めるヘッドライトにはエステックのPPFを施工し、質感・機能とコストのバランスをとった一台に仕上げています。
またエステック京都は、オフロードタイヤにリフトアップしたVW・ビートルにグリーンのエステックPPFをフル施工。大衆車の代名詞的存在だったビートルは、今は生産終了して新車こそ手に入らないものの比較的手頃な価格で中古車が流通し、カラーPPFのフル施工費が車両価格を上回るケースも出てきそうなモデルです。
ただ、PPFの個性的なカラーとフィルム素材の中でも一段と高い光沢・質感は、愛車を自分仕様に仕上げるのにぴったりなアイテム。カスタムやチューニングと同様、安価なベース車でPPF・ラッピングを楽しむのも1つの愛車の遊び方としてアリかも。PPFとともに西海岸さながらの爽やかでユニークな空気をまとったビートルは、個性豊かなフィルム施工車が集まった会場内でも一際、そんなフィルムの遊び方・魅力を存分に感じさせてくれる一台でした。