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ブランド化進むコーティング、裾野拡大の兆し見せるPPF…東京オートサロン2024

東京オートサロン2024
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カスタムカーの祭典「東京オートサロン2024(TAS)」が1月12〜14日の3日間、幕張メッセ(千葉市美浜区)で開催されました。前回比で37社増の378社が出展し、3日間累計で同約28.2%増の23万73人が来場と盛り上がりを見せたTAS2024。会場北ホールに集中するディテイリング関連ブースでは、海外ブランドを中心に高級化・ブランド化が進むカーケア・コーティング用品や、低廉化・ボリューム層への拡大の兆し見せるプロテクションフィルム(PPF)など、シーンの新たな局面を垣間見ることができました。

東京オートサロン2024

各々のブランド観際立つコーティング 

身近な洗車・カーケアとも親和性が高く、ディテイリング定番サービスのコーティング。

2021年の上陸以降、プロ用高級ブランド「Gtechniq(ジーテクニック)」の国内普及を進めるinsieme(インシエメ)では今般、新たに海外カーケア用品のセレクトECショップ「arinomama(ありのまま)」をオープン。欧州を中心とした11のカーケアブランド、400点以上のアイテムを取り揃え、TAS展示ブースではおしゃれな白基調の空間に、独特の世界観を描く各ブランドの多彩なカーケアを展示しました。
ブランドは、ドイツ・nanolex(ナノレックス)やイギリス・AUTOBEAD(オートビード)といった硬化型セラミックコーティングなどのプロ向け商品を揃えるものから、イギリスのSam’s Detailing(サムズディテイリング)やCARBON COLLECTIVE(カーボンコレクティブ)、スウェーデンのtershine(ターシャイン)といった洗車好きを魅了するケミカルが揃うブランドまで豊富。それぞれに使い勝手や性能、価格帯などに特徴があり、カーシャンプーやクイックディテイラー、簡易コート剤など共通するアイテムも多いものの、「現地で人気だったり親しまれていて、日本総代理店がない海外カーケアブランドをセレクトした。従来はブランドごとに販売していたが、ブランドの垣根を超えたECショップを立ち上げたことで、『このアイテムはこのブランドのものを使いたい』という“こだわりの洗車ニーズ”に応えられるようになった」(佐久間代表)といいます。

  • 東京オートサロン2024
    TAS2024・arinomamaのブース

また、アジア・マレーシアの「igl coatings(アイジーエルコーティング、igl/日本総代理店:igl coatings JAPAN)」も独自のブランド観を発信。カーシャンプーや各種クリーナー、鉄粉除去剤、簡易コート剤など内外装ケア用の豊富なケミカルをラインナップするiglは、洗浄力や撥水性、光沢性といった使い勝手・性能もさることながら、環境に優しいというのが1つの特徴。低VOC・VOCフリーや植物性由来の成分を活用した各商品は、環境保全への取り組みが進む欧州の化学物質規制(REACH規則)やISO9001といった国際的な品質基準に批准し、SDGs(持続可能な開発目標)も掲げています。
そのiglは2015年の設立以降、すでに北米をはじめ50カ国以上に展開。2022年に日本総代理店契約を結んだigl coatings JAPAN石川代表は、「欧州では地域によっては排水の環境負荷を一因に洗車自体が禁止されており、国内でも同様の観点の議論が進められている地域もあると聞く。ケミカルの性能だけでなく地球環境への負荷や身体への安全性への配慮にメーカーとして先進的に取り組んでいるのがiglで、国内でもその理念に共感していただき100超の代理店・取扱店に使用していただいている」とブランドの魅力を説明してくれました。

  • 東京オートサロン2024のigl coatings JAPANのブース
    TAS2024・igl coatings JAPANのブース

他方、国産ブランドながら海外プロの使用実績なども基に独自の高級な世界観を確立しているKAMIKAZE COLLECTION(カミカゼコレクション)。毎年独創的なブース演出とともにTASに出展し続けており、今年は1965年式シルバークラウドⅢと高年式のファントム・ドロップヘッドクーペの2台のロールスロイスを展示。特に自社ケミカルを使用して細部まで洗浄・研磨されたシルバークラウドは、“純正オリジナルの輝きを引き出す”という点でカーディテイリングの古典的な魅力の1つを体現したような一台で、黒基調の趣あるブースの雰囲気を一層引き立てていました。
一方、ファントムの方には艶感や撥水性などに優れるという同社独自のKMKZ PPFを施工。またスコットランドの著名なワックス製造者HUGO氏とコラボしたオリジナルワックスも販売する同社では、HUGO氏本人によるワックスの製造実演という新たな試みも実施。磨きやワックスといった古典的要素からPPFやケミカル製造実演といった最新の商品・試みまで、ディテイリングの新旧多彩な魅力が詰まったブースとなっていました。

  • 東京オートサロン2024・KAMIKAZE COLLECTIONのブース
    TAS2024・KAMIKAZE COLLECTIONのブース

TAS2024会場ではこのほか、国内大手メーカー・ソフト99コーポレーションの主力コーティングブランド「G’ZOX(ジーゾックス)」や、愛用する国内プロディテイラーも多い米「FYEN LAB(ファインラボ)」、欧州で高いシェアを誇る「GYEON(ジーオン)」など馴染み深いディテイリングブランドも。
また国内大手のKeePer技研のブースでは、従来の同社最上位メニュー「EXキーパー」を上回る「TREX(ティーレックス)キーパー」を施工したアストンマーティン・DBXをお披露目。専門の施工技術や室温・湿度などを管理できる専用ブースを要するため現時点では全国でも3店舗でしか提供できないTREXキーパー。「『EXキーパーの上はないのか』というカーオーナー様の声を受けて形になったサービスで、顧客ニーズを探るマーケティング的な意味合いもある」(ブース担当者)そうで、一部カーオーナーにおいてはより高品質・上位なカーケアを望む高級志向が一層高まっているようです。

  • 東京オートサロン2024・ソフト99コーポレーションのブース
    TAS2024・ソフト99コーポレーションのブース

珍しい「カラーPPF」の文字も

TASはカーケアやディテイリングがメインではなく、あくまでカスタムカーの祭典。カスタムの一環としてラッピングを施工した展示車や、カーケア用品ブースが連なる北ホールでは前述のようなコーティングの展示もよく見かけますが、「プロテクションフィルムのブース展示」はとても稀。それゆえに少し目を引いたのが、ディテイリング業界内でもまだ馴染みの浅い「カラーPPF」の文字です。
オリジナルのカーマット製造・販売などを手掛ける千葉県のフィールドビレッジでは、高級カーケアブランド「FIEVILLE(フィービレ)」を展開。多彩なケミカル用品を展示する同社ブース内には、綺麗なグロスメタリックを纏ったマクラーレン・S720とともに中国のフィルムメーカー「CARLAS(カーラス)」のカラーPPFが展示されていました。

  • 東京オートサロン2024・CARLASのブース
    TAS2024・CARLASのブース

カーラスの「TPU Color PPF」は、ポリウレタンを基材とした約190μm(7.5mil)のカラーフィルムで、ラインナップは100色以上。自動車用カラーフィルムでは塩ビ(PVC)素材のラッピングフィルムが主流ですが、カラーPPFは飛び石や擦り傷などに対するプロテクションフィルムとしての保護機能を有するほか、見た目のグロス感(光沢性)も秀でているのが特徴です。

ラッピングフィルムに比べて機能的に優れた部分も多い一方、フィルム材料費が高価なことなども一因に極めて限定的な普及に留まっているカラーPPF。今回カーラスのブースでは、商品自体に加えて高い競争力を持つ販売価格も提示しており、ブース担当者は「日本はPPFもラッピングも施工費がとても高価で、一部のハイエンド車両・オーナーのためだけのサービスになっている部分がある。フィルム材料費を抑えて製品を提供することで、もっと多くの車両、幅広いカーオーナーにカラーPPFを楽しんでもらいたい」と今後の展望を語ってくれました。

PPFは材料だけでなく専門技術をもった施工をもって完結するため、必ずしも「材料費の下落=施工費の低廉化」とはならない可能性も。それでも、コスト的な魅力を増した高機能フィルムは、施工プロと思われる人も含めた多くの来場者の耳目を集めており、クルマ愛好家にとっても施工プロにとっても今後が注目なアイテムであることは間違いなさそうです。

CARDE編集部

90年代前半から東京都下でショップを営むプロディテイラーと元業界紙記者のコンビ。“現場のリアルな視点”と“客観的な情報編集力”でカーユーザー第一の情報をお届...

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